イタリア

イタリアワインの作り方!【手作りによる古典的な製造方法】

美しいブドウ

ワインは日本酒と似ていて作るためには手間暇がかかるが、作業工程を丁寧に積み重ねた分だけ美味しくなります。

その中でも機会を使わないクラシックな方法は非常に労力を必要としますが、ブドウ良さを最大限に引き出してくれます。

また、同じ味は二度とできない手作りの良さがそこにはあります。

 

今回、イタリアのウンブリア州で白ワインを実際に作る手伝いをしてきました。

機械を使わない昔ながら製造方法をお伝えしたいと思います。

 

ワインを作っている場所

イタリアのウンブリア州、ペルージャにある小さな町です。

ペルージャはローマからバスで4時間、芸術の街フィレンツェからは2時間程度です。

観光のついでに立ち寄ることも可能な都市です。

 

ペルージャは小高い丘が連なる丘陵地になっており、まわりに高い山がないので風が良く抜けることや
川や湖があり自然豊かな土地です。

そのため、ワイン造りが盛んな地域となっています。

 

イタリアワイン職人

ワインは作り手の性格なんかが味に反映されてきます。

ワインを作るアンドレアさん、190cmくらいある馬鹿でかいイタリア人。

昔から伝わる製法で美味しいワインを作ろうと一人で頑張っています。

そのため収穫から完成まで機械を使うことなく、手作業で行います。

 

化学物質を使わないワインを作ることが最も重要と語っています。

 

ブドウ畑

ブドウ畑

朝の七時から迎えに来たので、ぶどう畑で収穫しました。

丘の上にあるブドウ畑はまわりに高い木がなく、一日中日差しが当たるため、良いブドウが元気に育ちます。

傾斜に育つぶどう

上手く日が当たるように斜面にブドウ畑が作られています。

また、風通しが非常に重要なので、間隔は広めにぶどうの木が植えられています。

 

傾斜があるせいで、作業する際には非常に疲れます。

平面のブドウ畑もあるようですが、山の斜面が最も良いそうです。

 

品種はシャルドネ

美しいブドウ

シャルドネは白ワインの品種としては有名です。

適応力が強く、様々な土地で順応して育つことが可能です。

そのため、その土地や作り手によって同じ品種でも味が大きく異なるため地域の個性がよく出る品種です。

かなりおいしい

収穫しながらバクバク食べてみましたが、甘みはしっかりとあり、酸味が少しあります。

デザートとして食べても美味しくいただける状態でつぶしてワインにしてしまうのをもったいなく感じます。

 

 

しっかりとしたタンニン

ブドウはシャルドネ

非常に美しいブドウに対して、僕の手が茶色く汚れているのは、土よごれではありません。

ブドウのポリフェノールであるタンニンが染みついてしまうためです。

 

ぶどうの茎や実の皮に含まれている抗酸化物質で、果実を守っています。

 

タンニンは渋みを感じる成分です。

熟成の際にもワインにとって大切な複雑な風味を作り出すのに関わる物質です。

 

ブドウの収穫

ブドウをハサミで切り取り、ひと房づつ悪いブドウの実を切り落として、選別しながら収穫しカゴに入れていきます。

茶色くなった果実は切り落とし、カビが生えている部分も大きく切り落としてしまいます。

え!そんなに捨てるの?と思いましたが、この作業が非常に重要で味を左右する。

 

たまに病気の果樹もある

病気のぶどうの木

病気になっている樹木からは収穫しないようにします。

触るとものすごく言われる。

僕が誤って切り取った際には、ハサミをライターであぶりウイルスを除去してもらいました。

 

手早く収穫

午前中にガンガン切り取ります。

切った瞬間から劣化が始まるので、収穫した日に絞ってタンクに入れるところまで行います。

イタリアのおじさん達はずーーっとおしゃべりして収穫作業を行うが、めちゃくちゃ作業は早い。

見てわかるようにブドウは鈴なりで、しっかりと実っている。

 

少し若い果実

今回はパンパンに成熟した果実ではなく、少し若いブドウの収穫を指示されました。

作りたいワインの味があるのでしょう。
食べると少し酸味が強くなります。

旨みは十分に感じられるので、ワインになっても美味しいのだろうと容易に予想できます。

 

収穫完了

ブドウをトラクターで運ぶ

今回のワインに必要な量のブドウを収穫しました。

トラクターにのせて作業場へと運んでいきます。

 

洗浄作業

トルキューを洗う

ワイナリーの職人は完全に無農薬で育ったブドウでワインをつくり、化学物質嫌うため一切使いません。

そのため、洗浄と殺菌は非常に重要になります。

 

酸化防止剤を使わないということは、品質管理が難しく菌やウイルスを混入させないことが最も重要です。

ダメワインや腐ったワインなどになってしまうリスクをはらんでいます。

また、酸化防止剤は殺菌効果があり、カビなどの繁殖を防ぎますが、酵母にも影響を及ぼし、出来上がったあとの味にも変化が起こります。

日本でワインを飲むと頭痛や気持ち悪さを感じたものですが、これらは保存料などの添加物による影響だそうです。

 

トルキューで絞る

足でブドウを踏む

クラシック製法なのでトルキューというたる型の道具を使います。
絞る際には足で踏みます。

もちろん足を洗って、殺菌しますが、素足なので少し気になります・・・

 

ブドウは洗わない?

ちなみにブドウを洗うのかと思ったのですが、洗いません。

カゴからそのままトルキューに放り込みます。

あんなに器具を洗浄したのに?と矛盾を感じたりしました。

ブドウには必ず蜘蛛が住んでいます。

 

収穫の際には逃げてしまうのですが、そのまま滞在していることもあります。

 

軽く固形物をろ過

足ふみすることでブドウからフレッシュジュースがどんどん流れてきます。

ワインになる前のストレート白ブトウジュースですね。

ジュースの味

しぼりたてのブドウ汁

素足で踏んだジュースのことを気にしながらも試飲しました。

甘くて濃厚なめちゃうまジュースがしたたり落ちています。

白ワインからは程遠く、濁ったストレートジュースです。

不思議なことにバナナの香りがします。

時間と共に酸化して、茶色くなっていくそうなので絞ったらすぐにでもタンクに入れたいそうです。

 

 

タンクへ入れる

タンクへポンプで移動

トルキューから絞ったジュースをバケツからタンクへ移動させます。

この日電動ポンプが動かなかったので、手押しポンプでタンクへと入れる。
もちろんこのポンプもホースも殺菌する。

でもブドウは洗っていない・・・

ちなみに添加物を一切加えませんが、一つだけ入れるものがあります。

 

菌を入れる

ブドウ汁がワインに変化するためには、酵母の力が必要です。

酵母が糖分を分解して、アルコールを作るからです。

 

そのため、市販の粉状になった酵母を水で戻したものを少量入れます。

 

ちなみにブドウの皮には酵母が付いているため、本当はなにもしなくても勝手にワインになりますが、それでは品質が不安定だということです。

ちゃんと酵母を入れるとしっかり発酵して、美味しいワインができるのである。

 

発酵期間

一定の温度に保たれた蔵の中にあるタンク、その中で酵母が発酵を続けるので、日々変化が起こります。

毎日糖度を計って発酵の具合を確かめます。

酵母がブトウの糖を分解するので、糖分は日に日に減っていきアルコールが増えてワインの香りがするようになります。

完全に糖がなくなったら、不純物の濾過をして瓶に入れて寝かせることになります。

 

白ワインは3カ月ほどすると飲めるそうです。

 

 

まとめ

美味しいワイン

シャルドネという品種のブドウで白ワイン造りをお手伝いしました。

僕はワインのことはさっぱり知りませんでしたし、日本で飲むことはありませんでした。

そのため、昨年の白ワインをいただいた時には美味しさにびっくりしました。

フルーティーな香りが力強く広がりました。
また、非常に飲みやすく、どんどん飲めました。

 

美味しいワインというものは、ワインを知らない素人でも美味しいと感じることができるものです。

ワインの初心者こそ美味しいワインを飲むべきかもしれません。

 

いただいたワインは頭痛など起こらず、気持ちよく酔えました。

これがオーガニックの無添加ワインということなのでしょう。

僕はワインが好きになってしまいました。

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