人は恋をするものです。
しかし、その始まりはいつも同じではありません。
フィリピン留学、それは今までの日本とは違う生活、違う展開。
僕の体験談を書くことで自分の中でいろいろ思ってほしい。
そして笑ってくれたら幸いだ。
序章
僕はフィリピンに語学留学を始めて1か月ほどたったころだ。
学校には韓国の大学生が来たため、校内の生徒は一気に2.5倍ほどに膨れ上がった。
どうやら韓国では学校の指定の留学によって単位が取れるらしい。
4つの大学から留学に来たため、学校が様替わりするほど生徒は増加した。
昼も夜も人だらけ、座るところに困るほどだった。
それに対応するため、閉鎖してあった教室は開かれ、新たにパートタイムの先生が増えた。
そのため校内で見たことのない先生がたくさんあふれることになった。
見つけてしまった
元からいる生徒は先生が決まっていたため、一部の授業以外の先生は変わらなかった。
さほど変化なく生活をすることができた。
人の溢れる校内で、僕は気がついてしまう。
美人の先生がいる。
想像のフィリピン人女性とギャップ
日本にいる頃のフィリピン人のイメージといえば、スナックなど夜の店にいて浅黒く、顔立ちはいかにもフィリピン人って感じの古い顔立ちを想像していた。
しかし、フィリピンに留学して気が付く、肌の白い人や日本人にしか見えない顔立ちの人、エキゾチックな顔の人、背の高い人など思ったよりも複雑なものだった。
若い女性のほとんどは太った人は少なく、スタイルが良かった。
どうやらスペイン系や中華系など、いろんな人種背景によるものらしい。
無意識のうちに・・・か?
話はそれてしまったが、僕は美人の先生を発見して以来、気になって遠目で探すようになった。
彼女のエキゾチックな顔立ち、大きな目・・・僕は美人の先生が見たいのだ。
視線というのは不思議なもので、見られていると感じるものです。
目が合うことが何度か起こるようになりました。
その後も何度か視線が合うたび、いつの間にかお互い笑顔で返すようになりました。
僕はこう思います。
日本で視線を感じとられたら、必ずそらすでしょう。
変な人だと思われるからです。
しかし、海外においてそんな心配は不要です。
少なからず僕は彼女に興味があるので、気が付いてもらってかまわないからです。
なぜ話しかけないのか?
こんな疑問が思い浮かぶだろう。
答えは2つあります。
- きっかけがない。
- 僕の英語力はめちゃくちゃ低い。
僕は学校でも二人しかいないプレビギナーというランクだった。
もちろん一番下、ビギナーよりも下。
僕の英語力
実は英語については中1で挫折した。
そのあとは、もはや授業についていけないことはわかるだろう。
そんな英語力で話しかけたりなどしない。
シャイな方ではないが、言葉の壁はこういう時に感じる。
無力だ。
始まりは突然である
「Facebook持っている?」と言われた。
ある日、校内で突然話しかけられた。
美人の先生だ。
「YES!」
僕は留学前にFacebookのアカウント作っておいた。
外国人の友達ができるかもしれないからだ。
彼女はサラッとFacebookを交換したら
「連絡して。」
といって去っていった。
僕はどんな顔をしたいたのだろう。
嬉しさとドキドキでアホな顔だったことは予想ができる。
SIMカードを買う
僕はシムフリーのスマホを日本から持ってきていたので、急いでSIMカードを買いに行ったのを覚えている。
フィリピン人はテキストメッセージを使うことが多い。
なぜなら、スマホではなくガラケーを使っているから。
フィリピン人は不思議なことに経済的な格差がすごい、スマホを持っていて車で学校に来る先生もいるが、すごく貧乏でひとりで家族を支えている先生もいる。
また、ネット環境が悪いためスマホよりガラケーが好んで使われている。
タフで壊れにくいのも理由だろう。
メッセージを送る
SIMカードを購入後、何度かテキストメッセージを送り合った。
英語力のなさが痛烈に心に効いた。
僕の味方グーグル翻訳は使えない。
韓国の大学生が押し寄せたので、Wi-Fiはそんな人数に対応できるはずもなく、夜のスマホは使い物にならなくなった。
SIMカードを差したが通信速度が遅すぎて検索などろくにできない。
これがフィリピンである。
メッセージを翻訳し返信するため電子辞書を駆使した。
しかし、直訳と意味が違う部分もあり、なくなくルームメイトにメールを見せることになってしまっていた。
誘いを受ける
ある日彼女から誘いがあった。
ちょっと用事があるので一緒に行こう!と
全ての授業が終わった後、学校から町中に移動した。
トライシクルというサイドカー付きのバイクに二人で乗り込んた。
乗り心地は最悪だが、このときばかりはトライシクルもいいものだと感じた。
そのあと果物屋さんで果物を買い、彼女に友人のお見舞いに行った。
薄暗くて古い病院へ歩いて部屋を目指した。
彼女の友人の男性は足を骨折したようで入院していた。
ちょっとそこにいてと言われて、二人にされたがなんとも気まずかった。
つたない英語で会話した。
しかし、こういう時に使う英語は忘れにくいと思う。
そのあと、彼女と食事をした。
何を食べたのか不思議なことにさっぱり記憶がない。
私は文法の先生だからいっぱい教えてあげる。
すぐに英語は上達するわ。
と言われて、間違いなくこれはラッキーだな。
俺はついている。このときはそう思った。
トライシクルで彼女は自宅へ行き、降りた後、運転手に学校へ連れていってあげて。
と伝え僕は帰った。
遅すぎた出会い
彼女から再びお誘いを受けた。
一緒に学校を出発するとケンタッキーフライドチキンに到着。
二階席にはパートタイムの先生が15人くらい待機していました。
そのあと二人で注文をしに行って二階席に戻った。
先生たちにかなり冷やかしを受け、好きなのか?とかいじられた。
英語力の向上に良い機会だと思っていたが、現地の人間が集まった場合、英語は使われず現地語であるタガログ語で大盛り上がりだった。
アウェー感がハンパないまま放置され、時間を過ごした。
パートタイムの先生達はここで初めて出会い、名前も憶えられていない。
彼女と一緒に出かけることができたのは一度だけだった。
なぜなら、彼女は学校を辞めることになっていたからだ。
2度目のお誘いは途中で気が付いたのだが彼女の送別会だった。
2件目に移動
イメージ画像です。
ケンタッキーでは、いろいろ英語で話したり質問され、イエスだのノーだの答えた。
そのあとちょっと高級なカフェに全員で移動した。
高級とは言っても、日本人からしたらリーズナブルでキレイなカフェで良いお店だ。
みんなで何度か来た覚えがあった。
全員注文し食事を楽しんだ。
そのあとデザートをみんな注文して食べていた。
けっこう先生は儲かるんだな。そう思った。
タガログ語で会話が弾み、まったくわからぬ状況で放置された。
最悪の環境だ。
ただ彼女が辞めてしまうことは理解できた。
もっと早く話しかけるべきだったな。と後悔はしたが仕方ない。
送別会終了
カフェではテーブル会計だった。
伝票が僕の前に来たので見てみて、自分の分と彼女の分を払って余るくらいのお金を出した。
そのあともタガログ語で何やらごちゃごちゃ言っていたが全く理解はできなかった。
お会計を済ませて、トライシクルでそれぞれ帰っていった。
彼女とはもう少しいたかったが、学校には門限があるので急いで帰った。
文化の違い
学校の寮に戻り3人のルームメイトといろいろ今日の話をした。
しばらくしてメールが届いたので、読んでみたが僕にはイマイチ理解できなかった。
英単語の意味が分からなかったのではない。
何度読んでもわからないので、ルームメイトにメールを公開した。
読んだみんなは大喜びで笑い転げた。
そして何したの?と言われた。
彼女からはあなたにはガッカリしたと書いてあった。
この部分は読むことはできた。
とてもショックだったのでその意味が理解できなかった。
他の部分をルームメイトが説明してくれた。
「なぜ私たちにごちそうしてくれなかったのか?」
「あなたにはすごく失望した。」
どうやらカフェで全員分のお金を僕が出さなかったかららしい。
そのため彼女に恥をかかせたという結果になったようだ。
ショック過ぎて受け入れられなかった。
日本人の感覚からはちょっと理解できない。
彼女と出かけたのは2回目、また先生たちとは初めましてである。
また、僕はお誘いを受けた側である。
だが・・・自分の分と彼女、先生たち17名分の食事をおごることが正解だったのだ。
帰宅してからお会計時のざわつきが理解できた。
フィリピン文化ではこの場合、男性がおごるらしいが
「オレ、彼氏じゃないし、先生たち知らないし。
おごるとか無理でしょ。」
そう思ったらイラッときた。
「なぜ、僕がみんなにおごらなければならないのか?」
そう返信したのを最後に一切連絡を取ることはなくなった。
まとめ
恋愛については、もちろん話せるほうが良いが、言葉は絶対条件ではありません。
感じるものがあれば目が合うだけで自然と距離が縮んでいくものです。
留学にいって恋をすることは十分にあり得ます。
その相手が外国人だったり、日本人だったり。
また、下心や恋愛感情などのエネルギーはものすごく大きく、僕は彼女と話をしたくて自分の中の限りある英語を絞り出し、文章をひねり出す日々を送りました。
おかげでこの後の僕の英語力は飛躍的に上昇しました。
結果的には出会ってよかったと思っています。
いろいろなことがあるから留学は面白い。
多くの人が日本をでて体験してほしい。
その後・・・・
英語力があってもお金を出すつもりはなかったが、彼女が学校を去ってからも残ったパートタイムの先生にチラチラ見られ視線を感じた。
まるで悪いことをしたような扱いを受け続けた。
彼女は初めからお金目当てだったのだろうか?
この件に関してはしばらくの間、ルームメイトにいぢられつづけた。
のちのちFacebookで知ることとなるが、彼女はマニラに就職したからやめたようだ。
ラッキーだと思ったこの件はすっかり裏返しとなってしまった。
読んだ人もいろいろ思って考えていただければ良いなと思います。
長い物語を読んでくれてありがとう。